確定申告の医療費控除に使う『医療費集計フォーム』、簡単そうなのに、なぜか手が止まりませんか?
ここでは、「交通費」「保険金」「助成金」など医療費集計フォームのわかりにくい項目をピックアップして、書き方と記入例を紹介します。
また複数の領収書を一列にまとめて書く方法もお伝えします。
くわえて、知っておきたい損をしないコツが記事内に4つ掲載されていますので、ぜひ確認してくださいね。
『医療費集計フォーム』とは?
『医療費集計フォーム』とは、確定申告の医療費控除(所得控除)を適用するために、医療費などの費用を記入するシートのことです。
国税庁が作成したものですが、実はただの簡易なエクセル表です。
(※ダウンロードはこちらから⇒『確定申告作成コーナー』)
必ず使う必要はなく、ご自身で作成した医療費の一覧表を添付しても確定申告は通ります。
しかし!医療費集計フォームは利用することをおすすめします。
なぜなら、医療費集計フォームを使うと確定申告を行う際にデータの引き込みができ、作業時間がグッと減るから!
面倒な確定申告、少しでも楽をしたいですよね。
医療費控除の対象は?
医療費集計フォームに入力できる医療費控除の対象は、国税庁のこちらのページをご参照ください。
主には病院や歯医者の治療費、処方医薬品(予防や健康増進のためは対象外)が対象です。
医療費集計フォームに入力する総額が大きいほど、還付される金額は大きくなります。面倒ですがしっかりと確認しましょうね。
『医療費集計フォーム』の書き方
医療集計フォームの書き方は、基本的には領収書を集めてリストに記入するだけの簡単な作業です。
医療費集計フォームの書き方
①家族分の領収書を集める
②シートに入力する(領収書1枚ずつ入力する or 名称でまとめて入力する)
①家族分の領収書を集める
まず、前項の医療費控除の対象に該当する家族全員分の領収書を集めましょう。医療費控除は家族全員分が対象です。
総額が大きい方が控除額(還付金)は上がるので、漏れなく全員分の領収書を集めましょう。
②シートに入力する
次は、集めた領収書の情報を医療費集計フォームに入力します。日付や利用者などの順番に決まりはありませんので、ランダムに入力してOKです。
各列に入力する項目は、以下どちらでも構いません。
・領収書1枚ずつを1列ずつ入力する
・病院・薬局・交通機関名など名称ごとにまとめて1列に入力する(※対象者は分ける)
(※上記のまとめて入力する方法は、以下に詳しく紹介します。)
基本的には簡単な作業ですが、書き方に悩む部分も多々ありますので、以下に項目ごとに紹介します。
『医療費集計フォーム』複数領収書をまとめた書き方
上記で、医療費集計フォームには領収書1枚ずつ入力しても、病院/薬局/交通機関名など「名称」をまとめて一列に入力しても良いとご紹介しました。具体例で解説しますね。
例えば、以下のような領収書が10枚あったとします。
・Aさんの「〇病院」の領収書5枚
・Bさんの「〇病院」の領収書3枚
・Bさんの「△病院」の領収書2枚
もちろん、領収書10枚をそのまま10列に分けて入力しても構いませんが、面倒ですよね。
複数領収書をまとめて書く方法も有効です。「Aさん・〇病院」「Bさん・〇病院」「Bさん・△病院」の3列に分け、それぞれの領収書の合計を記入しましょう。
Bさんの〇病院と△病院は纏められないので、ご注意くださいね。
日頃からこまめに入力しておく人は、領収書1枚ごとが入力しやすいでしょう。
申告時にまとめて入力する人は、名称ごとにまとめて入力したほうが早いかもしれませんね。
ご都合に合う方を選んでくださいね。
『医療費集計フォーム』交通費の記入例
医療費集計フォームの中で、交通費は悩みやすい項目です。交通費の医療費集計フォームへの書き方・記入例を紹介します。
■『交通費』書き方
・名称 :「JR」「〇〇バス」など
・医療費の区分:「その他の医療費」
・支払った医療費の金額:往復の合計額を記入
■交通費記入例

上記の例は、交通費を1列にまとめて入力した場合です。ひとりの人が、家を出発してから目的地までの往復の交通費をまとめて1列に入力しています。
領収書ごとに複数列を使って入力しても問題ないですよ。
『医療費集計フォーム』保険金・助成金の記入例
次に、意外と知られていない「保険金」「助成金」の医療費控除について解説します。
保険金や助成金を受け取った場合、その金額分は医療集計フォームに入れることはできません(控除対象外ということ)。
保険金は公共のものだけでなく、民間の医療保険でも同様です。
実際にかかった費用から、保険金・助成金の金額を差し引く必要があります。
もし知らずに保険金・助成金の入力をせず多く税金の還付を受け取ると、もちろん処罰の対象です。忘れないように、確認しましょうね。
■『保険金』『助成金』書き方
・病院・薬局名称:通常通りに入力
・医療費の区分 :通常通りに入力
・支払った医療費:通常通りに入力
・補填される金額:金額を記入
■『保険金』『助成金』記入例

まずは通常通りに「病院・薬局名称」「医療費の区分」「支払った医療費」を入力します。その列の一番右側に、「補填される金額」欄がありますので、そこへ受け取った保険金や助成金を入力します。
もし領収書1枚ごとに入力していて、対象治療の列が複数列ある場合は、その中のどこか1個所だけに入力します。
そして次のコツを必ず確認してください!
『医療費集計フォーム』のよくある質問
次に、医療費集計フォームを入力していると良く出てくる疑問をまとめました。
Q.保険金・助成金の金額が確定していない場合は?
A:年末調整が会社で済んでいる場合は、保険金・助成金が確定してから申告を行いましょう。
年末調整が行われていない場合は、推測の金額を医療費集計フォームに記入しましょう。
年末にかかった医療費があり、確定申告をする段階で保険金・助成金の金額がまだ未確定の場合もあると思います。その場合、年末調整があるかどうかで対応が変わります。
実は年末調整が行われていれば確定申告は『還付申告』という扱いになり、申告期間(2月15日~3月15日)を守る必要はなくなります。翌年1月1日から5年間の間ならいつでも受け付けてもらえますので、保険金・助成金の金額が確定してから申告を行えば問題ありません。
もし会社などに属しておらず年末調整が行われていない場合は、確定申告期間(2月15日~3月15日)に申告しなければなりません。その場合は医療費集計フォームに保険金・助成金の推測の額を記入しましょう。確定後、『更正の請求』として修正の申告を提出します。
ルールとはいえ修正の申告は手間になりますよね。保険会社などに事前に電話確認して、確定に近い額を入力するのもおすすめです。
Q.領収書の提出は必要ですか?
A:領収書の添付または提出の必要はありません。
実は領収書の添付・提出の必要はないんです。領収書は大量になるので、ありがたいですね。
ただし、申告期限から5年間は自宅で保存するようにと国税庁は提示していますので、きちんと管理しておきましょう。
【まとめ】医療費集計フォームの書き方・記入例と損しないコツ
以上、医療費集計フォームの書き方・記入例と、損をしないコツをお伝えさせていただきました。
①家族分の領収書を集める
②領収書単位、または名称単位で入力する
①医療費控除の対象を細かく確認
②タクシー代があれば内容確認
③付添人の交通費も確認
④保険金・助成金は支払った費用と同額を入力
確定申告は最終的な申告書の金額が合っていればよいので、医療費集計フォームはあまり細かく確認されません。小さなことは気にせず入力して大丈夫ですよ。
注意があるとすれば、1年分をまとめて入力するのは大変ということ。
可能であれば、こまめに入力しましょうね。
我が家は不妊治療があったため領収書は80枚超え。
1年分をまとめて入力するの、なかなか大変でした……苦笑

コメント